HOME微小生物を使った観察・実験ゾウリムシの実験と観察ゾウリムシの核



ゾウリムシのフォイルゲン染色像

染色して観察する方法 

 スライドグラスにゾウリムシの入った水を一滴乗せます。先の細いピペット(ミクロピペット)で、できるだけ余分な水を吸い取ります。そこに酢酸オルセインや酢酸カーミンを一滴落として、カバーグラスをかけて顕微鏡観察します。

 少し面倒ですが、フォイルゲン反応とよばれる化学反応を使って核を染色する方法もあります。上の写真は、この染色によるものです。

 蛍光を出すDAPIなどの色素で染めて、蛍光顕微鏡で観察する方法もあります。  

細胞の中に大核と小核があります。大きさは長さが約40ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリメートル)、幅が約25ミクロンです。
 大核と小核は大きさが違うだけでなく、その働きも違います。小核は二分裂で増えているときは、ほとんど働いていません。しかし、接合とよばれる有性生殖を行うと、小核は減数分裂と呼ばれる分裂をして、多細胞生物の卵や精子の核と同じように半数体の核(染色体の数が半減する)ができます。この核はもう一度分裂して、核の交換をしたあと、融合核ができます。この融合核がさらに分裂して、その一部が新しい大核に、別の核が新しい小核になります。もし、小核がないと接合後の細胞は生きていくことはできません。つまり小核は、子孫を生み出すのになくてはならない核です。詳しいことは、ゾウリムシの接合のページを見て下さい。
 では、大核はどのような働きをもっているのでしょうか。細いガラス針で細胞から大核を抜き取ると、2日ほどで細胞は死んでしまいます。小核を抜き取っても死ぬことはありません。ですから、ゾウリムシが生きて分裂していくためには、無くてはならない核です。小核が遺伝子を2セット持った核であるのに、大核は一つの遺伝子が数百個も入った核(ポリゲノミックな核)で、細胞の維持や増殖のための遺伝情報を活発に出している核です。
 この大核と小核があることが、繊毛虫とよばれるゾウリムシの仲間の特徴です。