繊毛(せんもう)は細胞の表面にある繊維状の小さな器官で、ゾウリムシの細胞の表面には、規則的に約3500本も並んでいます。口の中には、全体としては生えていませんが、束になって部分的に生えています。細胞の表面の繊毛は、規則的に波打ち、その結果細胞は前に進みます。繊毛とミドリムシやボルボックスなどにあるべん毛とは、基本的な構造は同じです。動物の体表の毛のようなものと誤解されることがありますが、全く違い、動物では精子のべん毛や気管に生えている繊毛と同じです。

 この繊毛の動きは、金属イオンであるニッケルによって麻酔されます。

したがって、ゾウリムシの動きを止める方法として、塩化ニッケル(4ミリモル程度)溶液をほぼ等量〜10倍程度の培養に加える方法があります。

 また、繊毛を細胞が生きたままぬき取ることもできます。例えばエチルアルコール(5〜7%)溶液に細胞を入れると、繊毛が脱けます。しかし、繊毛の脱けた細胞を、エチルアルコールを含まない液に移すと、約1時間後には、繊毛が生えて細胞は泳ぎだします。