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田んぼの微小生物の光合成


水田にもたくさんの植物プランクトンがいる。この植物プランクトンは、太陽の光の下で活発な光合成をおこなっている。5月の晴天の日に、どれだけ活発に行なっているかを、測ってみた。 酸素発生量の測定  酸素発生量の測定には、光合成量や呼吸量を測定するための簡易型の検容計 プロダクトメーターN型(写真参照)(横浜ら、1980*)を用いた。
*Yokohama, Y., Katayama, N. and Furuya, K. (1980) Proceedings of the 8th conference of AABE.


測定結果

5月の晴天時、日中の田んぼにおける微小生物の酸素発生量は、



1アール1分間当たり1.69ℓであることがわかった。

(1アール=100m2)

これを人の安静時に使う酸素量に換算すると、

1Mets=3.5mℓ/Kg/分

体重1Kgあたり、安静時に1分間3.5mℓの酸素を使うともいわれる。仮にこの数値が正しいとすると、

体重50kgの人が安静時に使う酸素量は

3.5mℓ × 50Kg =175mℓ/分である。

1.65ℓ ÷ 175mℓ =約9.66人分

10m×10mの広さの水田から、安静にしている約10人が使う酸素量に相当することになる。

○ただ、稲が生長するにしたがい、田面水の光の量は減少するので、ここに示された数値は、最大に近い数値と考えられる。

○夜間は植物プランクトンは光合成による酸素放出を行なわず、呼吸により酸素を消費するため、一日の収支は、呼吸量に着いても調べる必要があるが、昼・夜間の呼吸量については調査していない。

○水田の植物プランクトンとして代表的なアオミドロ、ボルボックス、ミドリムシについて計測したところ、いずれも明るい光の下で活発な光合成を行なうことが確認された。

○ゾウリムシの細胞内に共生する藻類の光合成  ミドリゾウリムシは水田でよく見られる微小生物である。ゾウリムシと同じParamecium属であるが、細胞内にクロレラが共生するために緑色に見える。このミドリゾウリムシからクロレラを取り除くことも可能で、その場合は白色のミドリゾウリムシとなる。  クロレラを持つミドリゾウリムシ(緑色)とクロレラを持たない細胞(白色)について、明るい光の下での酸素放出を比較した。  クロレラを持つ緑色のゾウリムシは、酸素を細胞の外に放出したが、クロレラを持たない白色のゾウリムシでは酸素の放出は認められなかった。(見かけの光合成量)

加藤涼子・片山舒康・見上一幸
 2002 水生微小生物からみた水田の酸素放出と環境教育 日本生物教育学会大会(静岡/静岡大学)


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