水質の日周性


リモートセンシングにより水質を測定した結果、水質は一日のうちでも変化しているのが確認された。

(1)水温

不耕起水田出口6月中旬のデータから、水温は夜明けの1〜2時間後に上昇を始め、午後2時くらいに最高を示す。その後、気温は緩やかに低下し、翌日の夜明け直後に最低を示す(図3) 。これは、水田水が日光によって暖められたためであると考えられる。

(2)pH

pHの変化は夜間6.5くらいを示していたものが、昼間になり、日が差すにつれてpHは上昇し、午後2次〜時くらいに最大値のpH9を示す。水田の種類や測定日、測定時期によってその変化の幅は違っていたものの、夜間微酸性を示すほどに低かったものが、昼間にはアルカリになるまで上昇するといった傾向が見られた (図4)。これは緑藻類などの微生物が日中に行う光合成の影響で、水中の二酸化炭素は消費されるため、pHはアルカリに傾くと考えられる。しかし夜間は、微小生物は光合成を行なわなく、呼吸のみを行うため、水中に二酸化炭素が放出され、再び微酸性に戻る。

(3)溶存酸素量

 溶存酸素量は、夜間低かったものが、夜明け過ぎから上昇し、昼間には高くなることが分かる。夜間は、朝5時〜6時の間くらいにほぼ0に近い最小値を示し、その後時間が経つにつれ上昇していくのが確認された。例えば、不耕起水田出口6月17日の溶存酸素のデータから最小値は午前5時で、0.35mg/lであり、これはこの水温における飽和溶存酸素量に比べ、低い。一方、昼間上昇した溶存酸素量は午後3時くらいに最も高くなり、14.43 mg/lを示した。これは飽和溶存酸素量に比べ、高い(図5)。このことから、微小生物のうちの藻類もしくは、水田に生育している植物などが昼間に光合成を行なった結果、酸素を放出しており、夜間には呼吸のみを行ない、酸素を消費していることがいえる。

(4)酸化還元電位

 水がどれほどの酸化還元力を持っているかを示す物理量である酸化還元電位の変化は、pHや溶存酸素量の変化とは逆になっており、夜間高いものが、昼間で低くなっている。酸化還元電位は水が好気的か嫌気的かを示す尺度である。酸化還元電位の値が高ければ、好気的であるし低ければ、嫌気的であるといえる (図6)。

(5)電気伝導度

 測定期間を通して、変化に日周性は見られず、ある程度一定であった(図7)。

(6)水深

 常に水が張ってあると思われる、水田も水深は変化しており、水が出入りしているのが分かる(図8)。

(7)塩分濃度

塩分濃度は測定期間を通して、ほとんど常に0.1‰で、変化はなかった(図8)。